※この記事は
**「第1部|職場いじめから退職、再出発までの記録」**の最終話です。
ここに書いているのは、
心が削れていき、
退職を決め、
それでももう一度働こうとした時間の記録です。
特別な出来事ではありません。
どこにでもありそうで、
でも確かに人生が変わった日々でした。
もし今、同じ場所で迷っている人がいたら、
ひとりじゃないと伝えたくて書いています。
明日から、新しい職場に行く。
――その前夜のことを、今こうして振り返っている。
あの夜、
頭の中にあったのは、
ただその事実だけだった。
嬉しいわけでもなかった。
強く怖かったわけでもなかった。
ただ、
落ち着かなかった。
何か大きな決断をしたはずなのに、
実感がない。
でも確実に、
次の日はやってくる。
そんな不思議な夜だった。
退職してからの時間
会社を辞めてからの時間は、
思っていたよりも、ずっと長く感じていた。
朝起きて、
特別な予定がない日。
曜日の感覚が薄れて、
時計だけが淡々と進んでいく。
何もしていないはずなのに、
なぜか疲れる日もあった。
「休んでいるのに疲れる」
それが、
少し不思議で、
少し怖かった。
手続きに追われる日々
退職したら、
少しは楽になると思っていた。
でも現実は違った。
病院。
ハローワーク。
書類。
電話。
生活を立て直すための作業は、
想像していた以上に多く、細かかった。
一つ終わっても、
また次が出てくる。
「辞めたら終わり」
そう思っていたけれど、
実際は、そこからが始まりだった。
「働かない時間」が怖かった
正直に言うと、
働いていない自分が怖かった。
社会から外れたような感覚。
誰にも必要とされていない気がして、
取り残されたような気持ちになった。
何者でもない自分が、
急に現実になった感じがした。
でも同時に、
あの職場に戻らなくていいという
確かな安心もあった。
朝、
あの場所へ行かなくていい。
あの空気に、
身を置かなくていい。
怖さと安堵。
この矛盾した感情が、
ずっと心の中で同居していた。
明日、また働くと思っていた夜
そして翌日、
私はまた働くことになっていた。
前と同じではない。
違う場所。
違う人たち。
違う空気。
でも、
同じ自分だった。
壊れかけたままの自分で、
次の場所へ行こうとしていた。
完全に回復してから再出発なんて、
たぶん一生できない。
だから、
不完全なまま進もうとしていた。
それでいいと、
あの夜は思っていた。
完璧じゃなくていいと思えた理由
私は、
強くなったわけではなかった。
相変わらず怖かった。
また同じことが起きたらどうしようと、
何度も考えていた。
「また失敗したら」
「また否定されたら」
そんな不安は、
消えていなかった。
それでも、
行こうとしていた。
逃げなかった自分を、
ほんの少しだけ、
認めていた。
それが、
あの夜の私にできた精一杯だった。
前の職場で失ったもの
前の職場で、
私はたくさんのものを失った。
自信。
安心。
「普通に働けている」という感覚。
気づかないうちに、
当たり前だったものが、
全部なくなっていた。
でも、
全部を失ったわけではなかった。
まだ呼吸できていた。
まだ働こうと思えていた。
それだけで、
あの時の自分には十分だった。
明日を迎える準備をしていた夜
特別な決意はなかった。
気合も入っていなかった。
ただ、
静かに準備をしていた。
制服を出す。
目覚ましを合わせる。
バッグに書類を入れる。
ごく普通の準備。
それができていることを、
少しだけ誇らしく感じていた。
「私は、まだ生活を続けようとしている」
その事実が、
静かに支えになっていた。
第1部の終わりに
ここまで読んでくれた人へ。
これは、
勝利の物語ではありません。
立ち直った話でもありません。
生き延びた記録です。
それでも私は、
翌日から働いた。
怖いまま。
不安なまま。
完全じゃないまま。
それでよかったと、
今は思っています。
明日から働く。
あの夜、
私はそう思って、
眠りについた。
第1部 完
第2部へ進む前に
第1部では、
職場でのいじめ、退職を決断するまでの過程、
そして「明日から働く前夜」までを書いてきました。
ここまでの話は、
立ち直った物語でも、
前向きに乗り越えた成功談でもありません。
ただ、
壊れながらも、
それでも生活を続けようとした記録です。
逃げたくなった日。
何もできなかった時間。
自分を責め続けた思考。
どれも、
あの時の私には現実でした。
第2部は「回復の物語」ではありません
第2部は、
よくある「再出発」「復活」「前向き転職」の話ではありません。
元気になってから働き始めたわけでも、
自信を取り戻して再挑戦したわけでもない。
怖さも、
不安も、
過去の傷も、
抱えたまま働き始めています。
だから第2部は、
回復の途中をそのまま書いた記録です。
壊れたあと、人はどう働くのか
第2部で書いているのは、
こんな日常です。
- 慣れてきたのに、なぜか疲れる日
- 注意された瞬間、過去の傷が反応したこと
- 人間関係が怖いまま、それでも職場にいる理由
- 「もう頑張らない」と決めた日
- 派遣という距離が、心を守ってくれたこと
どれも、
派手ではありません。
でも、
現実です。
完璧じゃなくても、生活は続く
第2部を通して、
私が何度も確認していくのは、
たった一つのことです。
「壊れたままでも、働いていいのか」
答えは、
今も探している途中です。
でも、
少なくとも言えるのは、
完璧じゃなくても、
自信がなくても、
怖さが消えていなくても、
生活は続けられる、
ということでした。
同じ場所で立ち止まっている人へ
もし今、
- 退職したあと、次に進むのが怖い人
- 働くこと自体に不安を感じている人
- 「また同じことが起きたら」と足が止まっている人
がいたら。
第2部は、
そんな人のための記録でもあります。
背中を押す話ではありません。
無理に前を向かせる話でもありません。
「こういう進み方もある」
ただ、それを置いているだけです。
それでも、私は働いている
怖いまま。
不安なまま。
完全じゃないまま。
それでも、
私は働いています。
その日々を、
第2部では一話ずつ書いています。
▶ 第2部を読む
※当時、生活や制度について一人で調べていた内容は、
別ページにまとめています。
