再会して気づいた、私の心の傷とあの人の苦しみ

※この記事は
**「第2部|壊れない働き方を探した記録」**の一話です。

再就職してからも、
すぐに元気になれたわけではありません。

怖さが残ったまま働くこと。
距離を取りながら続けること。
無理をしない選択。

第2部では、
壊れないための働き方を探した時間を書いています。

同じように迷っている人に、
静かな安心が届けばと思っています。

もう終わったと思っていた出来事は、
形を変えて、静かに心の奥に残っていた。

再会は、
忘れていた傷を思い出させるために
起きたのかもしれない。


目次

スーパーでの偶然の再会

前の会社を辞めて少し経った頃。
子どもの運動会の数日後、スーパーで
あの職場でいじめのターゲットにされていた人と、ばったり会った。

レジに並んでいる時で、
ゆっくり話せる状況ではなかった。

それでも、その人は開口一番、こう言った。

「〇〇さんのせいで辞めたんでしょ?」

私が答える前に、
続けるように言葉が重なった。

「私も今、いじめられてるのよ」

「知ってるよ」と言うと、
彼女は小さく笑って、

「嫌よね…」

とだけ言った。

それ以上話す時間はなく、
人の流れに押されて、
私たちは別々の方向へ歩いていった。


一ヶ月後、また突然の再会

再就職してから、ーヶ月ほど経ったある日の夕方。
仕事を終えて駐車場へ向かう途中、
またその人に会った。

今度は、かわいいポメラニアンを散歩させていた。

「最近どう?」と声をかけると、
彼女は少し表情を曇らせて言った。

「それがね、怖いのよ」

「何かされたの?」と聞くと、
首を横に振る。

「何もなかったみたいに、最近普通に話してくるのよ」

思わず私は言ってしまった。

「よかったね」

すると彼女は、すぐに否定した。

「よかったと思いたくないのよ」


消えないものが、確かにある

彼女は静かに話してくれた。

自分の機嫌ひとつで態度を変える、あの人。
いじめていた本人だけじゃなく、
見て見ぬふりをしていた人たちまで、
何事もなかったように声をかけてくる。

「向こうに合わせて、大人の対応はするよ。
でも、いじめられた事実は消えてないから」

その表情には、
強さも、悔しさも、
まだ治りきっていない傷も、
すべてが混ざっていた。


私の毎日は、“あの人”に支配されていた

その言葉を聞いた瞬間、
胸の奥で、何かがはっきりした。

私も、同じだった。

当時の私は、
会社に着くとまずシフト表を確認していた。

自分の名前と、あの人の名前。

同じ現場かどうか――
それだけで、その日の幸せが決まっていた。

同じ現場なら「今日は最悪な日」。
休みなら「最高にハッピーな日」。

たったそれだけで、
私の心は簡単に振り回されていた。

何も言われなかった日は、
それだけで「いい日」になってしまっていた。

今思えば、
それはもう、普通じゃなかった。

私の幸せは、
完全に、あの人の機嫌に支配されていた。


あの時は気づけなかった、自分の壊れ方

再会した彼女の言葉は、
そのまま、過去の私自身だった。

いじめが終わっても、
傷は簡単には消えない。

態度を変えたからといって、
受けた痛みが帳消しになるわけじゃない。

あの頃の私は、
知らないうちに心を削られ、

「誰かの機嫌で幸せが決まる」
そんな状態が当たり前になっていた。

やっと今なら、はっきりわかる。

あれは、おかしかった。
そして、傷ついていたのは、
私ひとりじゃなかった。


おわりに

再会は、
過去を引きずり戻すためじゃなく、
「ちゃんと気づくため」に起きたのかもしれない。

あの人の苦しみを知って、
同時に、自分の心の傷にも気づけた。

それは、
前に進むための、大切な一歩だった。

🔹 現実的な働き方を探している方へ

第2部では、回復しながら働く日常を書いています。

実際に私が選んだ「派遣という働き方」については、
こちらにまとめています。

50代の派遣という働き方|実体験からまとめました


▶ 次の話へ

あの日、私が壊れるまでの経緯は第1部に書いています。
ここから始まりました。

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