あの日、私はたった一言で心を折られました。
でも、その出来事があったからこそ気づけたこともあります。
この文章は、過去の自分に向けて、そして今同じように苦しんでいる誰かに向けて書いています。
「ここに来てよかった」
そう思ってもらえたら嬉しいです。
「もういいです」と言われた日のこと
胸が締めつけられた瞬間
「もういいです。」
その言葉が耳に触れた瞬間、
胸の奥がキュッと締めつけられました。
悲しさ、悔しさ、戸惑い。
いろんな感情が一気に押し寄せてきて、
どうしても心が抑えられませんでした。
涙は見せたくない。
でも、心がついていかない。
私は気付いたら、震える足で上司のところへ向かっていました。
上司に伝えた“震える本音”
「魚を拾ってただけなのに……
あんな言い方、ひどいですよね?」
声が震えて、目の奥がじんわり熱くなる。
泣きたくなんてなかったのに、こぼれ落ちそうになる感情を必死にこらえて言葉を絞り出しました。
上司は私の顔をじっと見つめ、少し間を置いてから静かにうなずきました。
「魚を拾ってくれて、本当に助かったよ。
拾っていたこと、ちゃんと伝えておくから。」
その一言に、胸がふっとゆるむのを感じました。
わかってくれる人がいる──。
そう思えた瞬間、ほんの少しだけ救われた気がしたのを覚えています。
救われたようで、救われなかった
でも、その“救い”は長くは続きませんでした。
心のどこかに、
「このあと、もっとややこしくならないかな」
という不安も同時に湧き上がっていました。
その不安は、残念ながら当たってしまうことになります。
次の日、空気が変わった
無視・孤立・情報が回ってこない
次の日、職場に入った瞬間、
昨日までと違う“冷たさ”のようなものを感じました。
その人の態度は、前よりも明らかに冷たくなっていました。
・挨拶をしても、目を合わせてもらえない
・視界に入っても、あからさまに無視される
・それまで普通に手伝ってくれていたことも、急に手伝ってくれなくなる
・仕事の情報が回ってこないから、自分だけ動きが遅れてしまう
少しずつ、でも確実に、
私だけが輪の外側に押し出されていくような感覚。
職場の空気が、急激に息苦しくなっていきました。
仲間だと思っていた人の裏切り
一番つらかったのは、
その人が周りを巻き込み始めたことでした。
私に直接言うのではなく、
仲間だと思っていた人に先に不満を伝える。
そしてその人の口から、
刺さる言葉が私へ向けて飛んでくるようになりました。
「それ、あなたの本心じゃないよね……?」
仲間だと思っていた人の口から発された冷たい言葉は、
胸の奥をズキッとえぐるように痛みました。
反論することも、説明を求めることもできない。
ただ心のどこかが、少しずつ削られていくような感覚だけが残りました。
心がえぐられるような言葉たち
仲間だと思っていた人の口から、
冷たい言葉が投げられるたびに、
胸の奥がズキッとえぐられるように痛みました。
「なんで、そんな言い方するの?」
「どうして、私にだけ……?」
そう思っても、
その場で言い返すことも、説明を求めることもできませんでした。
ただ、心のどこかが少しずつ削られていくような感覚だけが、
静かに積み重なっていきました。
心がつぶれそうになった毎日
自己否定の沼に落ちていく
つらい日々が続くと、
だんだんと 「自分が悪いのかもしれない」 と思うようになっていきました。
「私のどこがいけなかったんだろう」
「もっと早く動けばよかったのかな」
「気を遣いすぎたのが、逆に迷惑だったのかな」
考えても考えても、答えは出ません。
あの頃の私は、自分を責めることでしか、この状況を説明できなかったのかもしれません。
居場所がないと気づいた瞬間
ある日ふと、心の中に静かな言葉が浮かびました。
「私、この職場に居場所がないんだ」
その気づきは、不思議なくらい冷静で、
でも胸がつぶれそうなくらい悲しいものでした。
自分の存在そのものが、
この場所では歓迎されていないように感じてしまったのです。
今だからわかる、あの日々の意味
勇気を出して伝えた“あの日の一歩”
あの日、震える声で上司に本音を伝えたこと。
あれは、私にとって小さくて大きな一歩でした。
「嫌だった」
「悲しかった」
「つらかった」
そうやって、自分の気持ちを言葉にして誰かに伝えることは、
それまでの私には、なかなかできなかったことでした。
壊れる環境と、守るべき自分
あの日々を振り返って、今ならはっきり言えます。
どんなに頑張っても、自分が壊れてしまう環境もある。
どれだけ気を遣っても、我慢しても、
自分をすり減らすだけの場所も、確かに存在します。
自分を守るために、その場から離れること。
それは「逃げ」ではなく、「自分を大切にする選択」。
見えてきた人の本質と距離感
あの職場での日々は、
人の“本質”を見せてくれた時間でもありました。
・表面上は優しくても、誰かの前では態度が変わる人
・静かだけど、そっと気にかけてくれる人
・見て見ぬふりをする人
・言葉にして守ろうとしてくれた人
誰と距離を置くべきか。
誰を大切にするべきか。
あの経験がなければ、
きっと私は今も、同じように自分をすり減らしていたかもしれません。
最後に伝えたいこと
誰よりも頑張ってきたあなたへ。
もし今、職場で一人きりのような気持ちでいるなら、
「自分が悪いからだ」なんて思わないでください。
環境が悪いこともあります。
人間関係のバランスが崩れていることもあります。
あなた一人のせいじゃないことの方が、きっと多いです。
心が疲れたときは、立ち止まってもいい。
涙が出るなら、泣いてもいい。
「ここは違う」と感じたら、離れてもいい。
あなたの心が守られる場所は、ちゃんとあります。
